平日は一人作業でのんびり作業しつつ、一息ついてスマホポチポチして1時間くらいサボったりして、まったく緊張感が無い現場です。
週末に奥さんが手伝ってくれると、「さあ次は、なにやるの?」みたいに急かされて、作業がとてもはかどります。
一人では難しい作業とかもあるので、週末に手伝ってもらうと本当に助かる。
一人では難しい作業って例えば何かというと力仕事とかではなく「手が4本欲しいなぁ。」と思う場合ですね。天井に板を張るとかは一人じゃできない。
力仕事は、筋力とか根性はあまりないほうですので工夫で乗り越えることにしています。
今回は工夫で力仕事をしたので、そのご紹介です。
火鉢?掘りごたつ?
長野県小県郡長和町は、標高が低いところでも600メートルくらい。2000メートル級の山もある高地です。
私の古民家があるのは、およそ標高800メートルくらいに位置しますので当然寒いです。
12月に入り、朝晩はマイナスになる事も多くなってきました。
以前から書いている通り隙間風の多い古民家ではありますが、寒さ対策として考えられている部分もあるんです。
それはほぼ全ての部屋で、床に埋め込まれた火鉢です。
石を彫った立派なものです。
火鉢と書きましたが、人によっては掘りごたつと言う人も。
まあ、上に机と布団をかければコタツだし、そのまま使えば火鉢ですよね。
上の写真は客席にする予定の部屋の床にあるものです。
実際に動かしたのは下の写真の中央右側の四角いやつです。暗くて分かりづらいですが。
ここは厨房になる予定の部屋で、水道工事に向けて床を剥がして、劣化した根太とか大引きを交換し、平らな床を作るために水平を見ているところです。赤いラインはレーザーレベラーの光です。
さすがに飲食店としてはストーブとかエアコンを入れるつもりで、これらの火鉢を使う事はありません。
この火鉢はビックリするくらい重いので動かす事も出来ず、もったいないと思いつつもそのまま床下に隠してしまうつもりだったのですが・・・
回りの人から「これ面白いじゃん。あんまり見たことないよ。ただ埋めちゃうのもったいないよ。」という意見も聞こえてきたので、何とか活用する手段を考えました。
客席になる部屋では、そのまま床下に残して、火鉢部分だけ床板を貼らずにガラスとかアクリルにして透けて見えるようにしてみても良いかなあ。
でも厨房になる部屋についてはそんな工夫は要らないし、移動して土間に設置し、冬限定で炭火を熾して置いておいてもいいかなと考えました。
問題は、床下にある火鉢を引き上げて、土間まで移動するにはどうしたらよいかということ・・・
WEBで色々検索してみるけど、なかなかいい方法がありません。
サイズは50cm x 50cm x 40cmくらい。比重2.5と考えて250kgくらいと推定されます。
重さは一人で力いっぱい押しても僅かに揺れる程度。持ちあげるには大人4人でも足りない。
人を呼んでなんとかなるもんじゃないし、当然重機など入れられない。
ということで室内でも使える人力クレーンを自作する事にしました。
費用を抑えて、工夫して自分で何とかする。って凄く楽しいですよね。
もともと、重量物を動かしたり解体に使うかなと思って、パワーウインチという道具を買ってありましたので、これを活用します。
楽天で3000円程の安物で使い勝手は悪いと思うけど、一応、仕様上トンまで持ち上げる力があるので、十分な性能。
あとは木材を使ってクレーンの台座を組み、パワーウインチと組み合わせます。
自作人力クレーンの作成
設計図(笑)です。
人力のクレーンというと、単管パイプ3本を脚にしてチェーンブロックで重いものを上げる動画を見た事がありました。
手元にあるモノを使って似たような事をする感じですね。
横に渡すのは本当なら鉄の棒とかが良いんだけど、妥当なモノが無かったので2x4材。
火鉢には、水平方向に丈夫な紐(荷締めに使うような)を巻き付けます。
水平の紐に、もう一本の紐を垂直方向に2重になるようにセットしました。
垂直方向の紐の中央に、パワーウインチのフックを掛けます。
この写真は移動した後に撮影したものですが、このような紐のかけ方で、意外と安定して持ちあげる事ができました。垂直紐はもう一本用意して十字にかけた方が安定しそうだけど、手持ちの紐が2本しか無くてこれで妥協しました。
【!注意!】
本来、重いものを吊り上げるための紐をセットするには「玉掛け(たまがけ)」という技術が必要です。専門の資格があるくらい奥深いものです。
セオリーのかけ方を知ることは勿論、重心を見極めたり、使用する紐の丈夫さとか摩擦とかも考える必要があるでしょうからね。
私は資格もなくセオリーも調べていないので、完全に思いつきでやったものです。
ヒモが緩んだり切れる可能性はあると思います。
また、クレーンは手元にあるモノと言う事で木材を使いましたが、強度的に足りるか計算されたものではありません。左右のバランスを崩して倒れたり、地面に接した部分が滑るなどして倒壊する可能性もあります。やり方を真似て事故が起こっても責任は持てませんのでご了承ください。
結果としては危ういながらもリフトアップは成功。床下にあった火鉢が根太の上まで持ち上がりました。
土間までの水平移動ですがこれもなかなか厳しい。推定250kgなので、相当に丈夫な台車を用意できれば移動できそうではありますが手持ちには台車はないし。
そもそも、床板外しちゃってるんだよなぁ・・・。
後々、屋外でも大きな石を動かしたいこともあり、重量のあるものを移動できるような技術は持っておきたい。
で、考えた仕組みがこれ。自作リフトに続き自作のレールを作成。
写真の通り、床板が無くても移動可能なレールになります。
これなら屋外で地面が凸凹していても、大きな石をスムーズに移動できるでしょう。
作り方は簡単。
250cmの単管パイプ2本と、垂木クランプで平行なレールを作ります。このクランプは自在タイプで角度が固定されておらず、長方形ではなく平行四辺形になります。
レールの上に乗せるソリも作ります。レールと全く同じ仕組みで、100cmの単管パイプと垂木自在クランプで出来ています。
レールにソリを直接乗せます。単管同士が接触する向きです。
本当なら車輪があった方が良いのですが、妥当なパーツが思い付かず直に乗せました。
単管同士の摩擦はそれほど大きくないので、力一杯押せばソリがレールの上を滑ります。
(単管にシリコンスプレーをかけると摩擦が軽減されてさらに簡単に滑りますが、1回滑らせると効果が無くなります。)
レールの長さは移動距離に応じて使い分ければ良いでしょうが、ある程度長さがあるとテコの原理により、荷物をレール上に置いたままでもレールの方向転換が出来ます。
荷物をレールの片隅に移動したうえで荷物が無い側を持ち上げると、想像以上に軽くレールが持ちあがります。
レール自体を延ばす方向に移動するのは難しく、私は結局力に頼ってしまったのですが、短い単管パイプを複数用意して、コロとかを活用すればもっと簡単だったかもしれません。
さて、框の上まで移動したら、レールを土間に下ろすスロープにします。
角度をつけすぎるとソリが滑り落ちる可能性があるので、少しずつ角度の調整をしてスロープを作りました。(この時はシリコンスプレー厳禁です)
写真はスロープを降りた後。
スロープが出来てしまえば、ものの数秒で下まで降ろせました。
この状態でクレーンで一度持ちあげて、レールを次の移動場所に向けて動かします。
とまあ、こんな感じに慎重に作業を進め、何とか事故もなく土間の隅っこに火鉢を移動できました。
クレーンとかレールとか作ったり、単管パイプを持っていなかったので買い出しに行ったり、丸1日かかった作業でした。
クレーンとかレールとか作ったわりに力を使う事も多くて、結局筋肉痛になりました。
クレーンの台座にした2x4材は解体後再利用します。
今回はここまで。
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